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会社の目的はどのように決まるか。定款変更なく会社の事業を変更できるか。

 I. 会社の目的とCNAEコード 会社を新しく設立するとき、会社の目的となる具体的な事業を定めなければならない。設立当初より非常に具体的な事業内容を有している場合もあるが、一般的には、中長期的に行う可能性のある事業を含める形である程度の幅を持たせた目的とすることが多い。 こうすることにより、将来、会社が定款に含まれる事業を行いたいと考えたときに、株主総会の承認や公証人の面前で公的効力を持たせるための手続き、商業登記所への登記をする必要がなくなり、それに伴う時間と費用を抑えることができる。 また、設立時において会社の目的に含まれる事業のうち、主たる事業が特定されなければならない。これは、2013年9月27日付法第14号起業家及び国際化支援法第20条に従い、国の経済活動分類コード(CNAE)を参照したうえでなされる。 CNAEコードを表示する義務は、統計上の目的のみでなされるものであり、会社が複数の 事業を行う可能性がある場合であっても、主たる事業活動の1つについて宣誓すれば足りる。このことは、登記・公証局2015年2月13日付決定においても確認がされている。 しかしながら、商業登記官が会社設立の公正証書に記載されたCNAEコードが、現行のコードに記載された内容と十分一致しているかを検証するため、会社の目的に含まれる事業が当該コードと一致することは重要である。 このことから、会社の目的に事業活動を記載するにあたってCNAEコードさらには事業税(IAE)のコードは軽視するべきではない。 会社の目的が複数の事業を含める形で幅広く定められ、CNAEコードが宣誓されると、以下の疑問が生じる。 定款変更せずに会社の事業を変更することの可否 複数の事業活動をその目的に含めている資本会社で、それら事業活動のうちの1つのみ、つまり「主たる」事業活動のみを長年行ってきたような場合を考えてみる。 経営組織が、株主総会の同意を得ることなく、自身の決定で、主たる事業活動を止め、会社の目的に含まれるその他の事業を開始すると定めるような場合を想定する。 出資持分保有者又は株主は、経営組織から一方的に当該変更を知らされた場合、実際の事業活動の変更に同意を与えておらず、会社の解散事由、具体的には資本会社法第363条第1項(a)及び(c)に定める解散事由が存在することを理由に、解散を決議するための株主総会の開催を要求する。 会社法第363条 解散事由 a) 資本会社は以下の場合には解散しなければならない。 b) 会社の目的を構成する事業を止めたとき。特に、1年以上事業を行っていない場合には事業を止めたとみなされる。 c) 会社の目的を達成することが不可能となったとき。 しかしながら、経営組織は「新しく」始める事業は会社の目的に含まれていること、さらには、会社の収益に資することを理由に反論するだろう。したがって、主たる会社の事業はさておき、「会社の目的を構成する事業を止め」ていないし、会社の目的は経済活動を行うことで利益を得ることだと考えれば、会社の目的の達成が不可能となっていないと主張する。 この状態を前に、会社の目的は株主の特有の利益と考える(契約論的見解)べきか、株主の私的利益を上回る(組織論的見解)と考えるべきかの議論に入らなければならない。 Carla Villavicencio 詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年5月18日

EUのフェイクニュース対策

2018年4月26日、欧州委員会はオンライン上のフェイクニュース対策にかかる一連の措置を公表した。FacebookやCambridge Analyticaが最近公表した内容で、選挙の状況においてどのように個人情報を取得することができるかが判明し、民主主義の過程を保証するために適切な方法を考える良い契機となった。欧州委員会はヨーロッパの価値とセキュリティを保護するためにフェイクニュース対策のための第一歩を講ずる。 フェイクニュース対策の一連措置 欧州委員会が提案した一連のフェイクニュース対策のうち、以下のものは言及に値するだろう。 (1) フェイクニュースに関する行動規範   7月までに、第一歩として、オンライン・プラットフォームは、以下を目的とした共通の行動規範を作成し、採用しなければならない。 (i) 提供された内容、特に政治色のある広告の透明性の確保。例えばこの種の広告提供の目的の範囲を制限し、フェイクニュースのベクトルが入り込むのを減らす。 (ii) アルゴリズム機能についてより大きな透明性を提供し、第三者による確認が可能なものとする。 (iii) ユーザーが、他の観点から書かれた記事を見つけやすく、かつ、アクセスしやすい環境を作る。 (iv) フェイクアカウントを特定し、クローズさせるための対策を講じ、「ゾンビ」アカウントの問題に対処する。 (v) 情報の検証・調査を行う者及び公的機関が永続的にフェイクニュースをコントロールできる権限を与える。 (2) 情報の検証のためのヨーロッパ独立ネット 共通の業務メソッドを制定し、より良い行為についての情報交換をしEU全域のデータの確認を可能な限り行うために努力する。情報検証者は「情報検証ネットワーク(International Factchecking Network)」のメンバーから選ばれ、国際情報検証行為規範に従う。 (3) フェイクニュースについてセキュリティが施されたオンライン・プラットフォーム 情報検証者や関連した学術研究者が国際データの収集や分析を行うためのネットワーク及びEU域内のアクセスをサポートするためのプラットフォームの構築を行う。 (4) メディア・リテラシーの促進 メディア・リテラシーが高いレベルにあることは、すなわち、EU市民がオンライン上のフェイクニュースを見抜き、インターネットの内容について批判的な視点で見ることができることを意味する。この目的で、欧州委員会は情報検証者及び民間団体が教育機関や教育者向けの教材を作成し、「メディア・リテラシー週間」を制定することを助成する。 (5) 選挙の弾力性を保証するためのEU加盟国の支援 日増しに複雑になるサイバーの脅威、特にオンライン上のフェイクニュースやサイバー・アタックからEU加盟国を保護する。 (6) オンラインの自主的な個人特定システムの促進 トレーサビリティ及び情報提供者の特定を改善し、オンラインの交流や情報及び情報源の信用性を高める。 (7) 情報の質及び多様性の支援 欧州委員会は、多元的、多様性かつ持続可能なメディアの環境を保証するためにジャーナリズムの質を維持する支援を高めることを加盟国に伝えた。欧州委員会は2018年に、データを取り扱うニュース・メディアを通じたEU関連事案にかかる質が確保されたニュースの作成及び拡散のための提案のための会議を招集する予定である。 (8) 調和された戦略コミュニケーション方針 この方針は、欧州委員会によって作成がされ、オンラインのフェイクニュースに関する現在及び将来のイニシアチブと各加盟国のイニシアチブとが組み合わされる予定である。この方針は、ヨーロッパに関する偽情報に対峙しEU内外のフェイクニュースに抵抗するためになされる流布行為を含む。 次のステップ 欧州委員会は、近日中に複数の関係者で構成されるフォーラムを招集し、オンライン・プラットフォームや広告業、大手広告会社を含む関係者間の有効な協力のための枠組みを作成し、フェイクニュース対策への努力について協調して高めていくことを保証する。このフォーラムの最初の成果物は2018年7月までに公表され、同年10月までにその効果が測られる「フェイクニュースに対する行為規範」となる予定である。 2018年12月までに欧州委員会はそれまでの進展についてのレポートを発行する。当該レポートでは継続したモニタリングと予定された活動の評価を保証するための更なる対策が必要かどうかについても検証する。 大友美加 詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年5月11日

会社・株主間の書面のない貸付け

本稿では、2008年にある有限会社が会社の株主の一人かつ共同取締役でもある者に合計で10万ユーロに上る二度の役員貸付を実行した件に関する2018年4月5日付け最高裁判所判決について考察する。本貸付は書面の作成がされることなく実行されており、したがって、弁済期日、つまり、本貸付金についての会社へ返済すべき日が存在しなかった。 会社が株主に貸付を実行してから4年後の2012年8月20日、会社は株主総会を招集した。会社は、本件の債務者である株主に対し当該株主総会招集をスペインにおける内容証明郵便システムであるBurofaxを使用して通知した。株主総会の議題その2は「株主の債務の現状及び弁済請求」であるという記載が本通知にて確認できる。 本件の債務者である株主が不参加であった株主総会にて、現在、会社と株主間に存在する債務は同株主に対する貸付のみであり、元本にこれまでの利息額も合わせると、総額108.111,67ユーロに上ることが確認された。 それから一年後の2013年9月4日、会社は債務者である株主に対し貸付金全額及びこの元本に対する同日までの利息の合計119.371,92ユーロの弁済を請求する裁判を起こした。第一審判決は、本貸付金の存在を認めたものの、利息の金額には認めなかった。しかし、本件債務者に対し、元本の他に、当該訴訟の申立てが提出された日以降に発生した利息及び当該訴訟費用の支払いを求める内容であった。 第一審判決は、本件の対象となっている融資はビジネスローンの性格を持つもので、弁済期限が設けられておらず、よって、弁済請求のためにはスペイン商法第313条規定に基づき、通知受領日より30日後を弁済期限と設定する公証人通知を要するとし、これを理由に前述のような判決を言い渡した。 株主は、上記判決は弁済期限について以下のように規定する民法第1128条に反するとして、高等裁判所に控訴した。 「債務の弁済期限が定められていない場合、債務の性質もしくは状況によっては債務者にとって期限を付与された方が良いと予測される場合は、裁判所がこれを定めることができる」 上記条項を根拠として、株主は、弁済期限の定めがない貸付の場合は、弁済請求を実行するに先立って、裁判所主導ではなく契約当事者のいずれかの要請により、裁判において決定する必要がある、と主張した。 第二審法廷は上記論拠を退け第一審を支持し、貸付金の返済義務、加えて当該弁済請求が提出された日からの利息の支払い義務を認めた。しかしながら訴訟費用に関しては、債務者である株主に負担させるためには会社の債務弁済請求額が全額認められなければならないとし、一審判決を取り消した。第一審では、当該訴訟の申立てが提出された日からの利息の支払い義務を認めたが、原告である会社が請求した利息額については否定がされたからである。 控訴人である株主の観点からすると、第二審判決は要求していない弁済請求訴訟申立てがされてからの遅延利息の支払いを認めており、それは不適切であるとし、最高裁判所に上告した。 最高裁判所は、すべての状況を以下に挙げる論拠により明確にした。 本件は、その事実の性質と状況を鑑みると、返済の期限を設けたくない種類の債務であることは明確であり、よって民法第1128条規定の対象とはならない。 既にいくつかの最高裁判例として存在しているように、公証人通知要件は、広い意味において解釈されるべきであり、結果として、債務の存在及び、弁済請求が行われた時期を証明することのできる他のいかなる形態における通知方法も認めるべきである。よって上記通知日を起点とし、債務返済義務を履行するために30日間という期間を定める。 本件では、上記要件に当てはまるような支払い請求通知は存在せず、単に株主の一人として会社の株主総会招集通知であるBurofaxを受領したのみであった。そして本通知には、株主総会の議題の一つとして株主の債務の弁済請求という議案が含まれていた。最高裁の判決では、株主総会によって株主に対する債務弁済請求を実行することが決議された場合、その後、正式な通知を送付しなければならないとされた。正式通知の送付がなされていない場合は、債務の弁済請求を行うことはできないと理解すべきである、とした。 しかしながら上記の要件は、訴訟手続きの開始となる訴訟申立てにかかる通知の受領日を支払い請求がされた日と捉え、その日から起算して一か月後を返済期限とすることを、排除しなかった。 前述の見解は、利息発生日の判断に影響する。同見解によると訴訟申立て日からではなく、通知が受領されてから30日後に利息が発生することになる。同見解を理由として最高裁は、債務弁済請求訴訟手続きの開始日を起点として30日後に利息が発生するとしたとしても、債務者に利息の支払いを請求した第二審判決に矛盾はないとした。 Hugo Ester 詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es   2018年5月4日

取締役の会社債務に対する連帯責任

2018年4月11日付スペイン最高裁判所判決は、会社の債務に対する取締役の連帯責任に関して、それまでの原則を支持する判断を示した。具体的には、会社が融資を受けた時に債権者が本会社の債務不履行のリスクを認識していたという状況下における取締役の責任に関しての判断である。 本件は、一見通常通りに経営されているように見受けられていたが、実は法定解散事由に該当する状態にあったある会社に対する判決である。そのような状態であったにもかかわらず、当該会社の二人の取締役は、会社解散を行わず、また、法の定める資産のバランスを回復させるための措置もとらずにいた。加えて取締役は、おそらくは会社の純資産が実際にはネガティブであることを隠匿するために、商業登記所に毎年の会計書類を提出する義務を数年間怠っていた。 本件の債権者は、債務者である会社に対し、二年の間支払いが滞りがちでありながら、材料を供給し続けた。上記取引関係の過程で、債権者によって承諾されなかったものの、債務者が債権者に対し債務整理合意のための事前調整を行う意思を表示したことは、言及するに値する。 最終的に債権者は、会社及びその取締役に対して、債務の支払いを求める訴訟を起こした。原告側は、取締役の連帯責任を追及する事実要因として、解散事由の存在を認識してから2か月以内に株主総会を開催する義務を怠ったことを挙げた。法的根拠としては、旧有限会社法第105条第5項(現資本会社法第367条)解散事由を認識してから2か月以内に株主総会を開催し、解散の決議を採決しなかった場合、取締役が債務に対し連帯責任を負う、という規定を示した。 第一審判決は債権者の論拠を認め、会社及び二人の取締役たちの会社に対する責任に基づき、その債務返済を求めた。法的根拠としては、有限会社法第105条第5項を引用した。債務会社の取締役の一人は本判決を不服として、これを控訴した。 サラゴサ県の上級裁判所は控訴人の主張を支持し、取締役を会社債務の連帯責任から解放した。本判決の根拠は、債権者が債務者の経済状況を認識していたにもかかわらず、取締役の連帯保証を求めなかったこと、債権者が債務不履行のリスクを予見できたこと、という事実にあるとした。加えて、債権者の取締役と、債務会社の取締役の一人はいとこ・友人関係にあることを指摘した。控訴審判決は、その見解の根拠として2011年11月23日付および2013年4月14日付の二つの最高裁判所判決を引用した。 控訴審判決を不服として、債権者はこれを最高裁判所に上告した。 最高裁判所は、その判決の中で以下に挙げる事実関係を示した。 1)本件の債務は解散事由が生じる以前に発生したものであることは証明されている。 2)状況を把握しながら、取締役達は会社の解散を回避するための措置を取らなかったことは証明されている。 3)債権者が本会社の危機的状況を把握していたことは証明されている。 上記は全て事実であり、特に「債権者が債務者の経済状況を把握していた」という事実要素は一致していた。しかしながら最高裁判所は、債権者が債務者の経済的リスクを把握していたにもかかわらず債務者とのビジネス取引を続けていた場合は、債務会社の取締役は本債務の連帯責任を問われないとし、債権者が破産状態にあったという事実を単に把握していたのみでは、取締役の責任を免除する理由として不十分であるとし、第二審の主張を退けた。 最高裁は、債務者である会社が破産、もしくは財政が悪化している状態に加えて、債権者が不法行為を行った場合は、債務会社の取締役を免責にする可能性を示した2013年12月4日付の最高裁判所判決に言及し、これらのすべての事実関係は、取締役を免責にするために必要な条件であるが、それだけでは十分ではなく、債権者が、債務会社の債務不履行のリスクを認識していていたことを証明でき、債務会社の内実を知った上で管理できるような別の条件も考慮する必要がある(例えば、債権者が債務会社の支配的、もしくは関連のある株主である場合のように)とし、本件に適用する判例の要件の定義を明確にすることで結論づけた。 最高裁判所は、取締役の会社に対する責任の原則の例外の解釈において、一般的な規則を変性させるような例外規定を自動的に適用することを避け、分析中のケースを取り巻く個別の事実関係を照らし合わせて判断すべきという立場をとっている。これは、商業取引において優先すべき法的安全性に影響を及ぼす可能性がある。 Eduardo Vilá 詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年4月27日

企業秘密に関する法律

去る2018年2月8日、法務省は2018年の年次規制計画に含まれる予定である、企業秘密に関する法の法案を提出した。当該法案は、未公開の技術・ビジネス情報の保護に関する2016年6月8日の欧州議会および理事会の指令第2016/943号を、スペイン国内法に適用したものである。 本法案制定の理由によれば、企業の競争力は、技術革新の適用・実施、および企業秘密の安全な保持に基づいている。後者の保護が確かであることは、企業の技術革新の価値を高め、不正流用の危険を軽減することに貢献する。この状況において、企業の競争力を管理し、企業秘密の違法な取得、使用、開示から確実に保護することは、国の競争力を高めるための重要課題である、としている。 本法案第1条によると、本法律の目的は企業秘密の保護とされ、企業秘密には「技術・産業・商業・組織・財務上、会社に関連するいかなる情報」と言ったような広範な定義がされている。企業秘密に該当するためには、以下の要件を満たしていなければならない。 秘匿であること。つまり、この種の情報を扱う環境において一般的に知らしめられていないこと。あるいは簡単にはアクセスできないこと。 秘匿扱いすることによって、企業の価値が高まること。 情報の保有者が、秘匿にするための措置を設けていること 本法案第2条は、前第1条項を制限するものとして、合法とみなされる情報の取得方法を以下のように規定している。 発見又は独立して創造した場合 一般的にアクセス、もしくは合法的な所有が可能な製品・対象物を元に、観察、研究、分析、実験して得た場合 従業員及び代表者より情報の使用権利を取得している場合 合法的な事業活動により得た場合 同様に、以下に挙げるようなケースの場合は、企業秘密守秘義務違反は民事訴訟の対象にならないとされる。 マスコミの報道及び多元主義の自由への尊重も含めた表現の自由の権利行使を実行する場合 公衆の一般的利益保護の観点で、何らかの違反、不正、非合法的行為を見つけた場合 法律で合法であると理解されている利益保護を目的とする場合 他方、同法律案第3条は、不法的行為として以下を挙げている。 職業上守秘義務があるいかなる媒体の書類、対象物、材料、物質の許可なき取得。状況にもよるが、商慣習に反するとみなされるいかなるその他の行為。同様に、人が不法に使用していたと知りながらも、直接あるいは間接的に職業上守秘義務がある情報を入手することをも含む。 不法に取得、あるいは、守秘義務違反によって取得した企業秘密を使用、公開した場合。 法に違反している製品の製造、供給あるいは商品化、もしくは本商品を輸入、輸出、または仕入れること。 第5条は、企業秘密の守秘義務違反に対して取ることができる民事の行為について規定しており、要約すると、以下のものが挙げられている。企業秘密守秘義務違反の宣言、違反行為の停止命令、商品の押収、不法に取得された企業秘密の除去、違反商品の所有権の帰属(この場合、損害賠償金に上乗せされる)、故意又は過失が存在した場合の損害賠償、判決の全部または一部の公表または頒布。 第7条は、上記民事訴訟請求の時効を、行為が行われた時点から3年としている。第9条は、当事者適格について定めている。当事者適格を有する者は以下の者である。 企業秘密の所有者 情報を開発・利用をする独占的もしくは、非独占的なライセンスを取得していること明示的に証明できる者。 最後に、第16条から第20条は、第5条の措置に基づき、損害賠償に対応するための十分な安全性を確保しなければならない将来的に起こりうる予防措置を規定している。 Pedro Blanco より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年4月20日

ビデオ会議システムによる株主総会への 出席・投票

スペイン会社の株主や取締役が外国籍である、又は、会社の本店所在地から離れた場所に居住している、といった状況は、しばしば見受けられる。 これらのケースの場合、定款にて、株主総会及び取締役会に出席する可能性を規定することは、特に重要となる。これは遠隔地からの出席を可能とする、あるいは同様に遠隔地からの決議投票を可能とする書面の郵送又はインターネット通信による送付等のいかなるコミュニケーション手段を含めることを意味する。 この種の定款規定は、海外又は会社の本店所在地から離れた場所に居住する株主が、移動や代理人への権利委任を要せず直接株主総会の経過を把握することを可能にし、それは移動・通信等にかかる時間及び費用の節約につながると予想される。 しかしながら資本会社法(LSC)は、有限会社(S.L.)に対しビデオ会議システム、もしくは、これに類似した情報通信技術(以下「ICT」とする)を利用した株主総会開催の可能性の規定しておらず、そのために公証人と登記官の間でこの点の見解の相違が、しばしば議論の的となってきた。2012年12月19日付、2017年4月25,26日付及び2018年1月8日付け登記・公証局の決定はその例の一部である。 a)ビデオ会議システム、もしくは、ICTを利用した株主総会への出席・投票 ビデオ会議システム、もしくは、ICTを利用した株主総会への出席・投票に関連して2012年12月19日付登記・公証局の決定は、資本会社法第175条規定を以下のように引用し、見解を示した。 「定款に異なる規定がない限り、株主総会は本店所在地が存在する自治体において開催される」と規定する資本会社法第175条は、株主が株主総会に直接参加できるように、物理的な場所での開催を要求するが、同法第182条は株式会社への言及ではあるが、総会へのICT利用による参加を認めている、とその使用を肯定した。 同様に登記・公証局は資本会社法第189条第2項においても、株式会社のみを対象とした言及ではあるが、以下のように規定する。 「定款に規定されているところに従い、いかなる種類の株主総会の議案の決議事項への投票は、郵便、電子通信その他の遠隔コミュニケーション手段を通じて株主により委任、若しくは本人によって行使されることがある。 ただし、投票権を行使する主体の身分が正当に証明されていることを条件とする」 これに関連して登記・公証局は、資本会社法第182,189条は株式会社にのみ言及しているが、同法が有限会社へのビデオ会議システム、もしくは、ICTを利用した株主総会への出席・投票を禁じていると理解するべきではない、との判断を示している。 故に、株主が直接参加できるような物理的な場所での株主総会開催が決定した後、有限会社へのデオ会議システム、もしくは、ICTを利用した株主総会への出席・投票を、遠隔地の出席者に他の出席者の意見が同時に伝わり、株主が適時に介入できることが保証されているのであれば、有限会社にも認めるべきであると結論付けた。 b)ICTを利用した議決権の代理行使 他方、同2012年12月19日付登記・公証局の決定は、有限会社のビデオ会議システム、もしくは、ICTを利用した株主総会への出席・投票のみならず、議決権の代理行使にも言及した。そのためにはまず、資本会社法第183条第2項が有限会社に関して 「代理権限は書面(委任状)によって授与されなければならない。委任状が公正証書化されていない場合、株主総会毎に作成する必要がある」と、規定している事に留意が必要である。 同条項を文字通りに理解すると、「書面によって」とは、手紙、書類、若しくは手書き、入力あるいは印刷によるあらゆる用紙類を意味する。しかしながら2012年12月19日付登記・公証局の決定は、上記のような文字通りの理解を拒否し、電子署名法(法律59/2003第19条)および情報社会および電子商取引法(2002年7月11日施行、法律第34/2002号)に基づいて、「書面によって」とは他の形式における、例えば、ICTを利用、あるいはオーディオビジュアルを利用した代理権限の授与の表現・証明を排除するものではないと結論付けた。 従って、上記決定により、会社の定款にも代理権限授与のためにビデオ会議システム、もしくは、他のいかなる遠隔コミュニケーション手段を用いる可能性を、証拠資料として裁判所で認められる何らかの電子的フォーマットとして登録されている場合に限り、規定できることとなった。 c)本人認証のない署名があるICT利用による書類、もしくは、デジタル署名なしで電子的に送信された書類による議決権の行使 前述のa)、b)のケースを変更することなく、定款に以下の規定をすることができる。 「株主による議決権の行使は、本人認証のある署名(公証人によっての認証)を有する書類、あるいはデジタル署名付きの電子的投票によっても有効とする。ただし、株主総会においては、本人認証のない署名もしくは、デジタル署名なしでの議決権の行使を受け入れることができる。いずれの場合も、株主総会の開始時刻の最低24時間前に、会社が投票を受領する必要がある」 登記官は、資本会社法第189条第2項及び、これに類似する同法第522条に基づき、いかなる遠隔コミュニケーションシステムによる議決権の行使を、投票権を行使する主体の身分が正当に証明されている場合のみ可能であるとみなし、「本人認証のない署名もしくは、デジタル署名なしでの議決権の行使を受け入れる」を否定した。 しかしながら、2017年4月25,26日付登記・公証局の決定は、株主主権、若しくは自由行為に基づく株主総会の観点から、本人認証のない署名、またはデジタル署名なしで電子的に送付された書類によって、株主が行使した議決権を受領できるとし、これを定款に規定することを有効であるとの判断を示した。 さらに、登記・公証局はその決定の最後に「株主総会の開始時刻の最低24時間前に、会社が投票を受領する必要がある」と、会社が事前に議決権を行使する主体の本人確認の慎重な管理を助ける防止策としての一文を加えた。 d)株主総会における遠隔からの議決権の事前行使 直近の登記・公証局の2018年1月8日付決定は、有限会社設立の公正証書に、株主総会において議決権を遠隔地より事前に行使するための定款条項を含んだ登記申請についての判断を示した。 登記官は、株主総会における議決権の遠隔地からの事前行使は、資本会社法第521条第2項c)に規定されているように上場公開会社のみに適用可能な条項であるとして、有限会社及び通常の株式会社には適用されないとし、上記定款条項の登記を拒否した。 しかしながら登記・公証局は、株主総会における議決権の遠隔地からの事前行使は、定款にて規定されている場合は、資本会社法にこれを禁ずる規定がないため有限会社にも認められると、結論付けた。さらに、定款にて定められている場合には上記の決定は、直接出席型の取締役会招集における取締役の議決権行使にも適用される、との判断を示した。 Carla Villavicencio より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年4月13日

少数株主の監査人選任申請権

スペイン資本会社法第265条第2項は、計算書類の監査が義務付けられていない会社について、その発行済株式の5%以上を有する少数株主は、会社の本店所在地を管轄する商業登記官に、事業年度終了日から3ヶ月を経過する前であればいつでも、当該事業年度に係る計算書類の監査をするための監査人の選任を要請することができると定めている。 この少数株主の監査人選任要請の権利と会社の自主的に選任した監査人とで競合した場合について2018年2月20日付け決定において登記・公証局が見解を示した。 本事案では、計算書類への監査が義務付けられていない会社が自主的に監査人を選任し、その登記がされていた。しかしながら、当該監査人は定年により退任することとなったため、結果として2014事業年度の計算書類の監査を行うことができなかった。 他方、会社の少数株主は2014事業年度の計算書類について監査人選任の申請を商業登記所に提出したが、既に会社によって監査人が選任されその登記がされており、少数株主の利益は保護されているとして、当該申請は却下された。 2017年11月6日、会社は2014事業年度計算書類の監査のため新たに監査人を選任したが、当該選任にかかる登記申請が商業登記所によって却下された。 商業登記所は、少数株主の権利を守るため、会社による監査人の選任が認められる要件として、(i) 会社による監査人の選任が少数株主の監査人選任申請よりも前であること、及び(ii) 監査人の登記がされ、又は少数株主に監査報告書の提出がされる等、少数株主の権利が保証されていることが必要として、会社による新たな監査人の選任は上記の(i)を満たさないため、少数株主の権利を害し、認められないと判断した。また、既に選任された監査人が監査を行うことができない場合には、新たな監査人を選任する管轄は商業登記官にあるとした。 これに対し会社から異議が申し立てられたため、登記・公証局へと判断が送られた。 登記・公証局は、少数株主の監査人選任申請の権利について、以下の見解を示した。 (i) 法は少数株主に対して商業登記官によって選任される監査人による計算書類の監査請求権を与えているが、この権利は絶対的なものではなく、それ自身の規定により、申請期間や行使の法的適格において、制限が課せられている。 (ii) 少数株主について保護法益が存在しない場合には、資本会社法第265条第2項の前提が損なわれる。 (iii) 資本会社法第265条第2項の目的は、会社から独立した専門家による会計監査を請求する権利を少数株主に与えることで、会社の組織内における少数株主の地位の強化を図ることにある。監査人が登記官によって選任されていようと、会社によって選任されていようと、会計監査登記がされた監査人が、監査規程やその他の監査活動を規定する規則に基づいて監査をするのであれば、少数株主の監査人選任請求権を認める法の目的を害することにはならない。 そして、本事案では会社による監査人の選任は少数株主の監査人選任申請がされるよりも前になされ、登記もされていることから、この時点以降、少数株主の利益は保護されているとした。また、選任されていた監査人が定年退職し、会社がその後任として新たな監査役を選任したとしても、上記結論に何ら変わりはないとした。 大友美加 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年4月6日

EUにおける新個人情報保護規則

近年に生じた技術の変化を受け、欧州議会及び欧州委員会は、存在する大きなリスクから個人情報を保護するために欧州の法制を現代化させるに至った。この法令の現代化は、新個人情報保護規則(以下「新規則」という。)として実現した。 新規則は2018年5月25日からすべてのEU加盟国において適用が開始される。つまり、国内法規への変更手続きを要しない。企業は新規則の規定を守るために必要な措置を取り始めなければならない。 新規則の大きな革新は、以下の2つの要素に分けることができる。 1)率先した責任の原則 個人情報取扱い責任者は、個人情報の取り扱いが新規則に則っていることを保証し示すために、技術的及び組織的に適切な措置を講じなければならない。この原則は、取り扱うデータ、その目的及びデータ取扱いの種類について組織が分析することを要請している。 2)リスク管理 新規則遵守を保証するための対策を講じるにあたって、データ取扱いの性質、環境、状況及び目的のみならず、個人の権利及び自由に対するリスクについても配慮しなければならない。 このリスク管理の観点から、新規則は、個人の権利及び自由に対する高いリスクが存在する場合に取るべき対策及びリスクのレベル及び種類に応じて適応させるべき対策について定めている。 既存の原則の発展 一般的に、新規則は新しい原則を導入するものではなく、既存の原則をより効果的な方法で発展させている。 1) 許可がない以上は禁止 明白に許されていない限り、個人データのいかなる取り扱いも禁止される。新規則において、この禁止の原則はいかなる種類の個人データについて同様に適用される。 2) 目的の限定 企業がデータの収集・編集することができるのは、特定の目的の場合に限られる。このため、データの取得を開始するときにはその目的を定めなければならず、将来の使用についても予め検討しなければならない。 3) データの最小化 事前に定められた目的を果たすために必要な範囲でのみデータの収集が可能である。これにより、過剰なデータ収集を防ぐ。 4) 透明性 利害関係人に対する情報は簡潔かつ透明で理解しやすく、アクセスも容易で、明瞭かつシンプルな言語でなければならない。従前は正確かつ透明でなければならなかった。 5) 守秘義務 企業は顧客の個人データを、技術的及び組織的な盗難から守る義務を有する。これは新しい規定である。情報の盗難が発生した場合、予測可能なリスク及び保存されたデータの種類にとって技術的組織的対策が適切であったことが重要となる。 企業の個人データ取扱い主任者 欧州指令第95/46号は、データ保護の主任者の業務に焦点があてられていた。しかし、新規則では、データ取扱い事業の登録や実際に行う取扱いに適用されるセキュリティ対策の決定といった、個人データ取扱い主任者の義務も含まれている。 企業に関連するものとして、たとえ主たる事業活動がデータ取扱いと関連していないとしても、新規則は、10人以上の個人情報を取り扱う場合にはデータ取扱い主任者を1名おかなければならないとしている。これは中規模の企業に大きく影響を及ぼす。 さらに、新規則では、個人情報保護責任者はデータ取扱い主任者と契約を結ばなければならないと定められている。加えて、新規則はこの契約が含まなければならない内容についても定めている。 また、個人情報保護責任者は、適用すべき対策及びその方法を定めるために、実施するデータ取扱いのリスクの評価を行わなければならない。取り扱うデータに応じて分析の方法は異なるが、大きな組織は存在するリスク分析メソッドを使用した分析をすべきであろう。 データのセキュリティ評価に関する通知 新規則はデータのセキュリティ評価(またはデータのセキュリティ破綻)について広範に定義しており、これには「譲渡、保管又はその他の形態又はコミュニケーションもしくは情報へのアクセス権が無いものによるアクセスにおいて取り扱われた個人情報の破壊、損失又は不慮または故意の変更」を生じさせるような事象のすべてが含まれる。実務においては、顧客情報が入ったノートパソコンの紛失、ある組織のデータベースへのアクセス権のない者によるアクセス(従業員である場合も含む)、又は不慮の情報の消去といったものが、新規則の規定に従ったセキュリティ違反に該当するだろう。 情報セキュリティ違反が生じた場合、企業は当該情報の破損を認知した時点から72時間以内に情報保護管轄機関に通知をしなければならない。 Hugo Ester より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年3月23日

マネーロンダリングに関する新規制

スペイン法務省は、マネーロンダリングのための金融システム利用の防止に関連した2015年5月20日付EU指令第849号第IVを国内法令化するための一連の措置をとることを提案した。又、同じく指令第Vに関しても、正式な法案が公示されてはいないものの、対策が取られる。 指令第IVについては2016年6月26日までに国内法令化されていなければならなかったことを、注記しておく。 以下の2点は、指令第IVが制定する基本的な義務である。 会社の実質的所有者に関するデータが各加盟国の中央登記所に保管されることの必要性 2.会社の設立や会社の書記役又は経営機能を担うサービスの提供者について、ライセンス制又は登録制とする必要性 データベースに関しては、会社の実質的所有者の情報について公証人が取り扱う統一データベースに始まり、公証人会は、動産及びサービスの市場において介入できる会社の実質的所有者が誰なのかを把握するために、より効力が強く完全な新しいデータベースを構築した。しかし、これは法的文書によってなされる会社持分譲渡や株式会社の株式譲渡を考慮していないため、網羅的なものとは言えない。 2010年法第10号の資金洗浄防止法の改正が行われる。これにより、商業登記所が商事会社へのサービスプロバイダの登録を取り扱うこととなる。これらのプロバイダには専門職(弁護士等)同様、個人・法人のいずれも含まれなければならない。プロバイダは、商業登記所が処理できるよう、特別登記への登記を申請しなければならない。 第3に、2018年から、そして2017年会計年度の開始から、計算書類に加えて、会社の実質的所有者、つまり、会社の資本の25%を保有する個人又は会社の経営を直接又は間接的に管理している個人に関する文書の提出が義務付けられる。会社の経営の管理が、中間に法人が存在する等、間接的である場合、当該法人についても記載しなければならない。取得された情報は、個人情報保護の条項の効力を受けるものの、申請すれば誰でも閲覧可能となる。 最後に、マネーロンダリング防止にかかるEU指令第Vの国内法令化については、商業登記所への申請をすれば誰でも閲覧ができる会社の実質的所有者に関するデータベースへの情報アクセスが容易になる。加えて、「実質的に所有」しているとみなされる個人の株式保有率が25%から10%へと下げられる。上記を補うものとして、情報交換条約に加盟しているEU加盟国間で開示されたそれらの情報へのアクセスを可能にする目的で、欧州各国の商業登記所間で相互に情報交換が行われる。これにより、加盟国間レベルで事業を行う又は事業を行おうとする会社や専門職の者に対してより大きな安全性と保障を提供し、マーケットにおける透明性を高めることを目指す。 Eduardo Vilá より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年3月16日

取締役の報酬とその定款自治

地方高等裁判所及び公証・登記局は今日までの判決、決定において、資本会社の取締役の報酬に関し、二つの異なる制度が存在するという姿勢を示してきた。これは以下のように解釈されていた。 取締役の報酬に関する規定である資本会社法(Ley de Sociedades de Capital)第217条は、取締役の機能、つまり意思決定や監督業務にかかる報酬についてのみ言及している。 取締役会の権限委譲に関する規定である資本会社法第249条は、執行権者の機能、つまり、会社の通常業務にかかる報酬についてのみ言及している。 取締役に対する二重の報酬システムによって、取締役の報酬は定款自治の範囲に委ねられていると理解されており、従って、報酬の上限金額は株主総会による承認の対象である一方、当該報酬の制限は代表取締役の執行権機能への報酬に影響を及ぼさないため、特別決議による承認は取締役会によって行われ、株主総会の承認対象とされていなかった。 2015年9月10日付、バルセロナ商事裁判所第9法廷に、商業登記所の登記拒否についての異議申し立てが提起された。拒否された登記項目は以下である。 取締役の職務は無報酬とする。ただし、取締役会が存在する場合、取締役会によって執行取締役の執行権限の行使について必要と認める場合には、株主総会の承認も、定款における報酬に関する特別な規定がなくとも、資本会社法第249条第2項の規定の適用による。 上記条項にしたがえば、代表取締役の執行取締役としての報酬は、定款自治も株主総会の承認も必要とせず、前述の報酬制度の二重性を継続することになる。 しかしながら商業登記所は、定款自治の原則を侵害していることを理由に条項の登記を拒否した。原告の主張を退けた第一審の判決を不服とし、控訴した第二審では第一審の判決を覆し原告の主張を認められた。登記官はこれを不服とし、本件を上告した。2018年2月26日付最高裁判所判決第98/2018号は、以下の論旨に基づき、前述の報酬の二重構造性を否定した。 本二重構造は「執行取締役の報酬の透明性を著しく損ない、株主の権利、特に少数株主の権利に悪影響を及ぼす」なぜなら、取締役の報酬決定における株主総会の重要な役割を制限することになるためである。 代表取締役の報酬が一番重要になるのは、取締役会の設置時である。従って、会社の定款自治の適用がされず、さらに資本会社法第217条第4項に規定する要件、つまり、取締役の報酬の比例性原則も適用されるというのは合理的ではない。 取締役という役職には、審議・監督役としての権限とともに、執行役としての権限も付与されており、それらの権限の区別を要さない。 取締役を選任する場合、一人あるいは数人のメンバーへの執行権限の委譲を行うが、しかしながら、これらの権限は、すべての取締役もしくは、彼らの権限の「委任」を決定する取締役会に固有のものであり、よって、取締役の業務に差異はなく、それ自体の規制が必要となる。 資本会社法第217条は、取締役もしくは委任型執行役員かによって差別的に適用すべきではなく、同時に、資本会社法第218及び9条も、全ての代表取締役の報酬に適用できると理解する。 a) 両方の条項は第217条項およびその解釈と密接に関連しているため、第218条および第219条が取締役の報酬制度に適用可能である場合、第217条もまた適用されるべきである。 b) 両条項において定款自治の要件が参照として反復されているため、資本会社法第217条も、これを規定する。 取締役の報酬システムの統一の結果として、執行取締役への報酬の分配の際には、以下の点に留意する必要がある。 定款には、無償もしくは報酬の出る役職について明記し、同時に、役職概念に基づいて決定する報酬システムを設定する。 非上場会社においては株主総会の決定により取締役の年間報酬の上限額を定める。資本会社法第249条第4項IIおよび第249条補足i.規定に従い、多数の合意をもっての採決を損なうことなく開催する。 異なる権限を有する取締役間の報酬の分配は、合意により決定する。取締役会において決定する場合、各役員の権限及び責任を考慮しこれを決定する。 結論としては、執行取締役の報酬は、定款自治に従うものであり、従って、定款において規定された限度内である必要があり、その報酬額は、株主総会で毎年承認される必要がある。 Pedro Blanco より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。va@vila.es 2018年3月9日