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専門職法人制度 : 場合と理由

専門職法人とは、大学卒業資格や専門資格が必要とされる専門的活動を共同で行うことを事業目的とする法人をいい、当該事業を行うには、事業内容に応じた大学の卒業資格および専門家協会への登録(エンジニア、医師、建築家、弁護士、会計監査人等の専門職がこれに該当する)が必要とされる。 専門職法人は、法の定めるいかなる種類の会社の形態を備えることができるが、特別法として2007年3月15日のスペイン法第2/2007号(以下、「専門職法人法」)の適用を受ける。 前述の専門家の集団が専門職法人を形成すべきどうかを判断するためには、事業目的と専門職法人の構成を考慮しなければならない。 (a)専門職法人法第1条第1項及び第2項によれば、専門職法人の事業目的は、共同で 専門的事業を遂行することのみでなければならない。 したがって、事業目的を定義する際には、具体的な活動の羅列、詳述あるいは要約を避け、特定の専門職を共同で遂行することのみの記載に限ることを推奨する。前提として、専門職法人は専門的な性質を持たない事業活動を目的とすることはできないからである。2017年10月31日付、公証・登記局の直近の判断においても、上記見解を支持している。 (b) 専門職法人の構成に関して、専門職法人法第4条は、最低条件として、資本および議決権の過半数、又は純資産及び非営利法人の社員数の過半数は、専門資格を有する社員で構成されなければならないと定める。同様に、専門職法人の代表機関の構成員の少なくとも過半数以上は専門資格を有する社員でなければならない。上記条件を満たさない場合、この専門職法人は解散されなければならない。 他方、専門職法人に関する特別法の存在は、専門的なサービスを必要とする第三者に対し有利な追加的保証を提供する。 したがって、専門職法人に関する問題の中で最も注意を払うべきものの一つは、専門的サービスの提供に介入した法人及び専門家の両者に、社員か否かにかかわらず、対外的に連帯責任を負わせる特殊な体制にある。専門職法人法第11条は、専門職法人に対し民事上の責任に対応する保険への加入義務を規定している。 また、付随条項第2条は、前述の責任に関する特殊な体制を拡大適用するもので、2名以上の専門家が専門職法人法による専門職法人を組織することなく専門的職業の遂行を共同で行った場合にも適用される。これにより、万が一責任が追及されるような場合に不正があってはならない活動について、連帯責任があることで、サービスを要する者に特別の信頼を与えることとなる。 Carla Villavicencio Goula より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2017年12月1日

事業承継時の労働者への影響

スペイン労働者憲章第44条第3項によると、生産ユニットの譲渡が見受けられる場合、そこには事業継承があるとみなされる。その結果、譲渡会社と譲受会社の両者ともに、譲渡前に発生し且つ遂行されていない労働債務については3年間をめどに、連帯で責任を負うものとする。(譲渡後に発生した労働債務についても、これに対し違反宣告がなされた場合には、連帯して責任を負わなければならない) 倒産手続きの局面においても同様に、倒産法第149条第4項(以前は第2項)において、労働権と社会保障の保護の観点から、生産ユニットが譲渡された場合は事業承継がなされたとみなすと規定されている。当該概念は、2014年10月29日付けの最高裁判所判決に(労働審判)よって、倒産手続きの過程における集団的整理解雇の承認後、清算会社の資産全体が移転された場合は事業承継があったと認めると結論づけたことによって裏付けられている。 上記判決は、清算時において、事業を継続することから派生する責任、例えば社会保障費のコスト等の免除を条件とした生産部門購入に関する提案がなされた場合、労働審判において事業承継が存在するとみなされ、上記記載の条件は生産ユニットの取得者、つまり譲受会社が負担すべきであるとの見解から、倒産手続きを行う商業裁判所の承認を得たこの種の免除は無効になる可能性があるとした。 またここで留意すべきは、スペイン労働者憲章第44条の適用範囲を決定する所轄機関及び、第三者が倒産手続きの清算段階で機能する生産ユニットを取得した場合、そこに事業承継が存在するのかどうかの判断を審理するのは、倒産手続きを扱う裁判所(商事裁判所)ではなく、労働審判であることである。2017年5月18日付の直近の判決第442号においても、上記の判断の正当性を支持している。 同様の概念は、通常の商行為における生産ユニットの取得の場合(倒産手続内でのM&A)にも適用される。この場合、ユニット取得者に保証あるいは、生産ユニットの移転前に生じた労働債務と同額程度の価値の担保を要求することができる。これらすべては、契約範囲において、義務に対して連帯責任を負う必要はなく、売り手すなわち譲渡会社が負うものとする。 Carla Villavicencio Goula より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2017年7月7日

EU内会社登記情報の相互接続の進展(2/2)

当事務所の2017年3月19日付け記事でも触れているように、EU域内の商業登記簿間の相互接続システム「Business Registers Interconnection System」(略称「BRIS」)が2017年6月に施行される。 BRISは、商業登記簿のデータおよび文書の公開、ならびに本店、支店および国境をまたぐ合併に関する情報に関連して異なる加盟国の登記間の相互連絡の調整を可能することを目的としている 。 2017年5月9日登記・公証局は、スペインの登記所が商業登記間の相互接続の枠組みにおける行動方針を定めるため、商業登記の相互接続についての指針を公表した。 登記所が一般公開情報として扱えるデータは以下のものとなる。 会社設立の公正証書、定款及び定款変更(会社の存続期間の延長も含む。)の公正証書 役員の選任及び退任にかかる事項。役員とは、加盟国の法令に基づく会社の経営機関である者、及び会社の経営機関の構成員である者で以下に該当する場合をいう。 – 第三者に対して会社を代表する権限及び裁判における会社の代表権を有する(会社の代表権の行使が単独で可能か、共同行使の形でなければならないかを明示する) – 会社の経営、監督、管理に参加している 会社設立公正証書又は定款に払い込み資本の額が記載されている場合は、少なくとも年に一度、払込資本の額を開示する(ただし、資本の額の増加が定款の修正に該当する場合は除く。) 各事業年度の計算書類 本店移転 会社の解散 会社の無効を宣する裁判所の決定 清算人の選任及び清算人の個人情報並びに清算人に与えられた権限(法又は会社定款において明示かつ排他的に定める者がいない場合) 法的効果が生じる加盟国における清算結了及び商業登記の閉鎖 支店に関しては以下の事項とされる。 支店の郵便宛先となる住所 支店の事業内容 本店が登記された中央法務局、商業登記所または法人登記所における登記簿およびその登録番号 本店の商号及び会社の形態並びに本店と異なる場合には支店の商号 役員の選任及び退任にかかる事項。役員とは、加盟国の法令に基づく会社の経営機関である者、及び会社の経営機関の構成員である者で、第三者に対して会社を代表する権限及び裁判における会社の代表権を有する者をいう。 会社の解散、清算人の選任及び清算人の個人情報並びに清算人の権限、本店の公告にしたがった清算結了 倒産のためのあらゆる手続き、民事再生、その他本店が対象となる類似の手続き 計算書類 支店閉鎖 スペインにおいて、上述の情報は不動産登記官及び商業登記官協会のインターネットサイトにおいて確認することができ、会社の商号や形態、本店所在地、登記がされている加盟国及び登記番号について、無料で閲覧することができる。 相互接続の効果により、会社に商業登記の相互接続システム枠組みにおける唯一のコード番号が与えられる。このコードは登記がされている国の頭文字(例えばスペインの会社の場合にはES)で始まり、商業登記コード、会社の識別番号またはコードと続く。 これらにより、EUの会社に関する情報へのアクセスが迅速化され、多国籍グループに属する会社に影響するような会社内の変更の登記のために必要だった官僚的な仕事が減ることで、市場の透明性に資することとなるだろう。 Carla Villavicencio Goula より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2017年6月2日

国際商工会議所(ICC)規則の新しい略式仲裁手続き

1. 導入: 国際商工会議所(ICC)規則の新しい略式仲裁手続き 2017年3月1日、2012年に導入された商事紛争仲裁に関するEU規則の改正規約が施行され、2017年3月1日以降に締結されるすべての仲裁合意に直接適用されることとなった 非常に迅速な手続きによる今回の改正において最も注目すべきものは、ICC規則第30条(「略式手続の規則」)の附属書VIに規定されている200万米ドルを超えない紛争解決のための略式手続きの導入である。 2. 適用範囲 ICC仲裁規則第30条によれば、EU加盟国がICC仲裁に提出した仲裁申立てが2017年3月1日以降に締結された合意による場合には、仲裁当事者が明示的にその適用を除外しない限り、あるいは仲裁当事者の一方がICC憲法を前に適用除外請求をするか、ICC仲裁裁判所が案件を取り巻く状況を鑑みた上で適用不適切と職権において判断した場合を除いて、当該略式手続きは自動的に適用される(オプトアウト条項)。 また、紛争の金額にかかわらず時間と金銭的負担を節約するために略式手続きによる紛争解決を希望する者は、申立て時にこの解決法を明示的に選定することで、略式手続きを適用することができる旨を仲裁合意内に定めておけば、略式手続きを利用することができる(オプトイン条項)。 3. 特徴 略式手続の最も特徴的な機能は、仲裁廷の構成と手続きのタイミングである。 仲裁廷の構成に関しては、仲裁合意において異なった人数(例えば3人)の仲裁人が選任される旨が定められていたとしても、ICC仲裁法廷は、仲裁人一名しか選任することができず、結果として、当事者の意思に反することとなることは、念頭に置かなければならないだろう。 また、略式仲裁規則第3条により:  ICC規則第23条に規定される付託事項書(Terms of Reference)(当該文書には、当事者の主張と問題点の要約が記載される)の作成は省略される。 審問手続きの期日は、申立て書類が仲裁裁判所に提出された日から15日以内に設定される。 仲裁廷は、当事者とあらかじめ協議をしたうえで、提出する文書に制限を設けることができる。 仲裁廷は、当事者とあらかじめ協議をしたうえで、証人尋問や専門家による検証を実施せずに、書面のみに基づいて紛争解決をすることができる。 口頭弁論を実施する場合、仲裁廷はビデオ会議、電話会議、その他同様の方法を用いることができ る。 最後に、仲裁廷(おそらく、仲裁人一人で構成される)が最終決定を出すための期間は、通常の仲裁廷と同じ、6ヶ月が維持された。ただし、6ヶ月の起算は、付託事項書に署名がされた時点ではなく、審問手続きの期日からとされた(付託事項書の作成がされないため)。 4.結論 新しい略式仲裁手続きは、手続きを簡略化することにより仲裁合意に達するための費用を減額するために導入された。ICC裁判所所長Alexis Mourreの声明によれば、「紛争は 迅速かつ有益な方法で解決すべきである」ということである。 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 Carla Villavicencio Goula va@vila.es 2017年4月28日

個人情報保護 2018年に導入される新しい点

I.導入 2016年5月25日、2016年4月27日付欧州議会及び理事会で決定されたEU規則2016年第679号 、個人データの処理に関する自然人の保護及び当該データの自由な流通(以下「EUデータ保護規則」という)が制定され、2018年5月25日からその施行がされる。 II.適用範囲 「EUデータ保護規則」は、スペイン1999年12月13日付組織法第15/1999号個人情報保護法によって置き換えられた「個人データの処理に係る個人の保護及び当該データの自由な移動に関する欧州議会と理事会のEU1995年46号指令」を無効とし、スペインにおいて直接適用されることとなる。 この点、加盟国に対し国内法に置換する義務を求めてはいるものの、どのように法令を採択するかに関しては、一定の自由裁量を与えている「EU指令」とは異なり、「EU規則」は、全ての加盟国に対して拘束力を持ち、直接適用されるとし、その適用に関して個人が直接国内法廷に訴訟提起できるということに留意しなければならない。 III.導入目的 「EUデータ保護規則」の前文で述べられているように、自然人の保護を統一化し、事業者に法的確実性と透明性を提供するために、「EU規則」という形態が採用された。 適用例として、当該規則は、個人のデータの流通に関する同意は、そのデータを有する当事者が、自由、具体的かつ正確な情報に基づいて、書面、電磁的方法あるいは口頭で明白な宣言による肯定的行為をもってなされなければならない、としている。これには、インターネットのウェブサイト上のボックスに印をつけること、情報サービスの使用に関する技術的パラメーターを選択すること、あるいは文脈内で当事者が個人データの取り扱い方法の提案の受け入れを明確に提示する声明及び行動が含まれるとしている。 したがって、黙示である場合、ウェブサイト上のボックスに既に印が付いている場合、もしくは何の行為も行わない場合は同意したものとはみなされない。 一方で、当該規制は第三者に委ねられていた個人情報を持つEU市民自身の意思決定及び管理を行う上での立場を向上させるために、忘れられる権利やデータポータビリティの権利といった、 新しいツールを導入している。 IV.新基準とスペイン情報保護官庁の指針 スペイン情報保護官庁(AEPD)は中小企業(pymes) の「EUデータ保護規則」遂行を助成するために、「管理者のための規則ガイド」「責任者・管理者間の契約書作成指針」や「通知義務の遂行に関する基準」等の新しい資料を発表した。 V. 結論 当該規則が2018年5月25日まで施行されないにしても、適用措置の実施を開始することが適切である。 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 Carla Villavicencio Goula va@vila.es 2017年3月24日                                          

スペインにおける立退きの強制執行

I. 導入 他の西欧諸国に比べれば賃料は低いものの、現在スペインにおける不動産賃貸マーケットは、需要と供給の不均衡が存在し、絶頂期を迎えている。本稿は、賃借人による賃料の不払いや賃借人から占有を回復できなくなることへの懸念から、所有する住居や店舗不動産を賃貸することに猜疑的な不動産の所有者(潜在的な賃貸人)に向けたものである。 本稿では、不動産所有者が直面しうる可能性の高い以下の2つの状況に分けて説明する。 賃借人が賃貸借契約の有効期間内に賃料を払わなくなる 賃借人が賃貸借契約終了後も退去しない。 II. 賃料未払いに基づく立退き強制執行 賃借人による賃料の未払いがある場合、当該賃貸物件(住居または店舗)を管轄する裁判所に対し、賃借人立退き請求の訴えを提出することができる。 当該訴えにおいて、その提出時までに未払いとなっている賃料の総額が請求されるほか、手続き中に生じる遅延利息及び手続きの費用についても請求がされる。 裁判所により当該訴えが受理されると、処理手続きがされた後、賃借人に対して以下の通知がされる。 10日間以内に(i)不動産から立ち退くか、(ii)賃貸人に対して請求金額を支払うか、または(iii)立退きの強制執行の停止を求める場合には、負債のすべてについて支払え(または当該金額について裁判所または公証人に供託を求む) もしくは、上記期間内に、請求金額について債務を負っていないことの理由を証明する異議の申立ての実行。この場合、裁判所の指定された期日に口頭弁論手続きが行われる。 賃借人が上記10日の期間内に自主的に不動産を明け渡す場合には、立退き手続きはそこで終了する。ただし、請求された金額で未払いのままのものがある場合には、その請求に影響は及ばない。また、賃貸人が立退きの強制執行の停止を容認する場合(このことは、立退きが要求されていたものの、賃借人は不動産の占有を継続することができることを意味する。)の際にも、立退き手続きは終了する。 反対に、賃借人が不動産を明け渡さず、請求金額についても支払わず、さらに訴えについて異議申し立ても行わない場合には、裁判所が定める日時に直接強制執行が行われる(訴えにおいて立ち退きの強制執行が要請されている場合)。 したがって、上述のとおり、賃借人が消極的である場合には、法は、短期間(およそ 2−4ヶ月)で不動産の占有を回復することができるような迅速な手段を用意している。 III. 契約期間または法定期間終了後の立退き強制執行手続き 反対に、賃借人が賃貸借契約期間終了後も不動産の明け渡しに応じない場合、立退き手続きは、賃料不払いの場合のように迅速には進まない。 この場合、当該賃貸物件(住居もしくは事業用店舗)を管轄する裁判所において、賃借人立退き請求の訴えが提出するされると、裁判所によって受理後、当該請求は賃借人に通知され、賃借人は通知受理後10日以内に、書面による答弁書の返送を義務付けられる。 この訴えにおいて、直近の貸料をベースとした不動産の有効な明渡し完了までにかかる月額賃料と手続き費用を請求することができる。 賃借人の書面による答申の要求は、被告(賃借人)が口頭弁論期日当日に裁判所に出頭しない、または、答弁書を提出しない場合には、被告不在の状態で口頭弁論が進められ、以降の手続きなしに判決が言い渡され、裁判所が定める日時に立退きの強制執行が実施されることを意味する(訴えにおいて立ち退きの強制執行が要請されている場合)。 反対に、賃借人が答弁書を提出した場合は、原告被告のいずれかが申請した場合または裁判所が必要とみなした場合には、口頭弁論が開催される。口頭弁論が開催されない場合には、それ以降の手続きなしに判決が言い渡され、裁判所が定める日時に立退きの強制執行が実施される(訴えにおいて立ち退きの強制執行が要請されている場合)。 IV. 結論 上述のとおり、賃貸借契約終了後の立退きの強制執行請求において、建物の明渡しは、判決内容が被告に通知される日までは実行されない(賃借人が裁判所の定める執行日よりも前に自発的に退去しない限り)。 他方、賃料未払いによる立退きの強制執行請求の場合には、賃借人は訴状に関する通知を受領してから10日以内に不動産の明渡しに応じる可能性がある。この場合、賃貸人は賃貸借契約終了後の立退き請求執行手続きと比べ、数ヶ月早く不動産の占有を回復する。 1ヶ月の賃料未払いであっても賃貸借契約の解除権を発生させ、賃借人に対し義務の不履行を理由に不動産の明け渡しを請求する権利が生じることは留意すべきである。したがって、立ち退き請求をするには、一度でも賃料の不払いが生じた時点で賃借人に対して請求した方が、賃貸借契約の終了を待つよりも便宜的であると言えるだろう。 立退き強制執行判決の実行に関しては、近日中に別の記事にて述べる。 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 Carla Villavicencio Goula va@vila.es 2017年2月17日

配当金の分配及び株主の会社離脱権 (II)

2016年12月31日、配当がない場合に株主に退社権を認める資本会社法第348条bis*の適用待機期間が終了した。 これにより、すべての株主による同意がある場合に株主の退社権を認める旨を定款に定めることができる(資本会社法第347条)ことに加え、その他の株主の退社権発生事由(資本会社法第346条)に上記が加えられることとなった。 法定の退社権発生事由 ・  会社の目的の重大な変更または修正 ・  会社の存続期間の延長 ・  会社の事業活動の再開 ・  付随的サービスの提供を実施する義務の新設、修正または事前の廃止(定款で禁止していない場合に限る) ・  出資持分譲渡制度の修正(合同会社の場合) ・  会社の債務について個人的な責任を負担させる効果を生じさせるような会社の組織変更(2009年4月3日法第3号商事会社の組織変更に関する法第15条) ・  株主総会の承認を経て、国境をまたいだ、EU加盟国間の、または海外との合併等の結果、会社の本店所在地が他のEU加盟国へ移転する場合(2009年4月3日法第3号商事会社の組織変更に関する法第62条及び第99条) 2017年1月1日より、非上場の会社については、商業登記所に登記がされてから5年目の事業年度以降、会社が前事業年度において、その目的を実施することから得た利益の少なくとも3分の1について配当を実施することを株主総会が承認しない場合には、配当に関する議案に賛成票を投じた株主は、減資(資本会社法第358条)または、会社による当該株主の保有する株式の買い取り(資本会社法第359条)を通じて、退社をする権利を有することになる。 上記からもわかるように、この場合における株主の退社権の法的根拠は、資本会社法第346条に定める法定の退社権発生事由のように多数株主により会社契約の重要な部分を修正するような合意が形成されたことではなく、株主総会の決議で少数株主が利益を得ることへの参加及び少数株主の営利獲得についての潜在的遺留分を認めない結果となるような事態から少数株主を保護することにある。この場合、多数派によるそのような取り扱いは、会社契約の多数による契約不履行と理解される。 2017年1月1日以降、このような立場にある少数株主は株主総会が開催された日から1ヶ月の間、退社権を行使することができる(資本会社法第348条bis)。 当該株主が保有する出資持分または株式は、以下の方法に従いその価値の評価がされる。 1)    会社・当該株主間での出資持分または株式についての合理的な金額での合意 2)    合意がない場合には、独立した専門家により価値の評価がされる。当該専門家は会社または当該出資持分または株式を保有する株主からの要請により会社の本店所在地を管轄する商業登記所の登記官が選任される(資本会社法第353条)。評価価格については会社がそれを支払う(資本会社法第355条)。 しかし、償却された出資持分の価格(出資持分の返還に伴う減資により得られる価格)をすでに受領した合同会社の株主は、株主の退社が公的効力を有するよりも前に生じた会社の債務について、その受領した金額を上限として、第三者に対して会社と連帯して責任を負う(資本会社法第331条及び第332条に関連して、同法第357条)ことは考慮すべきだろう。 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 カルラ・ビジャビセンシオ va@vila.es   * 有効性に関する注記: 本条は2011年8月1日付法第25号資本会社法の一部改正及び欧州議会及び欧州評議会2007年7月11日付指令第36号(上場企業の株主の権利行使にかかる指令)の適用に関する法律によって設けられたものであり、2015年5月25日付法第9号倒産手続きにかかる緊急措置法及び2014年9月5日付勅令法第11号倒産手続きにかかる緊急措置法により、その適用が2016年12月31日まで延期されていた(それまでは2012年6月22日付法第1号資本会社の合併及び会社分割にかかる情報提供義務及び書類提供義務の簡易化に関する法律によって2014年12月31日まで適用が延期されていた)。

企業間の決済期間: 合意がない場合には原則30日、両者間の合意により最長60日

スペイン最高裁(民事第1法廷)は、2016年11月23日付けの判例において、請求書の支払い期限が60自然日を超える内容で当事者が合意した契約書について、法的に無効であることを宣言した。 前提事実 本件は、下請業者が元請業者に対して、既に行った業務にかかる未払いの請求書と遅延利息の支払いを請求する事件である。 根本的な問題として、商事行為における支払い遅延防止法(2004年12月29日法第3号)(以下「支払い遅延防止法」)で定める支払い期間の限度に関する解釈が争われた。当該法は2010年7月5日付法第5号(改正支払い遅延防止法)と2013年7月26日付法第11号(起業家支援及び雇用の促進の増大の刺激策に関する法律。以下「起業家法」)によって改正がされている。 従前の法令 支払い遅延防止法第4条は、支払い期限の決定は両当事者の合意に委ねており、合意がない場合には30日を支払い期限とすると定めていた。 2010年7月5日付の改正支払い遅延防止法により、期日が過ぎた請求書の未払い、支払い遅延や支払い期日の延長と大企業による中小の下請企業に対する立場の濫用を避けるために「両当事者の合意」の可能性が狭められた。 起業家法による改正後は、当該第4条は、概して言うと、以下の内容となった。 一般規定: 債務者が守るべき支払い期限は、契約書において支払い期限を特に定めていない場合には、商品を受領またはサービスの提供を受けた日から30日後とする。 もっとも、両当事者の合意によって当該期限を延長することができるが、いかなる場合においても60自然日を超える期限で合意をすることはできない。 この期限の上限は強制規定であり、60自然日を超えるような支払い期限の合意は、法的に無効となる(民法第6条第3項)。 例外: もし法、または契約において、商品またはサービスが契約内に記されたものに適しているかどうかを検証するための承認または確認手続きが設けられている場合、その手続きは当該商品またはサービスの提供を受領した日から30自然日以内に実施されなければならない。この場合、請求書または支払い請求が商品またはサービスの承認または確認よりも前になされた場合であっても、支払い期限は商品またはサービスの承認または確認がされた日から30日となる。 この場合、法定の支払い期限は、商品の引渡しまたはサービスの提供日から数えて90自然日まで延長することができる。 関連実務 請求書の支払い期日は、それらが未払いとなった場合には、債権者から債務者に対して期日を迎えた旨の通知も通達も要することなく、主たる金額の請求に契約または支払い遅延防止法の定めに従った遅延利息が加算される。この利息は、法定の支払い期限の上限に従って生じ、同時に 60自然日を超えるような支払い期限にかかる両当事者の合意は無効となる。 結論 最後に、最高裁は、いかなる形式においても、これら支払い期間に反するような内容の条項または契約実務について事前に異議を申し立てなかったという事実のみだけで、契約行使の過程における請求を妨げる行為を形成しない。それは、債権者が、合意であれ法定であれ、条件の合法性を法的に見直す権利を行使することを妨げるものは何もないからである、とした。   より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 カルラ・ビジャビセンシオ va@vila.es  

スペインの会社への金銭による出資は外国の金融機関に預金できる

スペインにおいて会社設立、または既存の会社の増資が公的効力を持つための要件の一つは、合同会社においては出資持分の額面価格を全額の払い込みがされること、株式会社においては株式の額面価格の少なくとも4分の1の払い込みがされることである。(資本会社法第78条及び79条) 周知のように、出資は金銭による場合と、金銭によらない場合がある(資本会社法第61〜72条)。金銭による出資の場合、資本会社法第62条(商業登記所規制第189条と実質的には同じ手続きについて定めている)は、金銭による出資の事実は会社設立、または増資の実施に関する公正証書(株式会社の場合はその後続けて実施される株式の払い込みにかかる公正証書)を作成した公証人によって文書化されなければならないと定められている。 論点となるのは、金銭による出資の事実をどのように証明すべきか、そして、どこに入金することができるかという問題である。 払込の証明方法として、資本会社法第62条は、信用機関に開設された当該会社名義の口座に出資に相当する金額が預託されていることの証明書を信用機関が作成し公証人がこれを公正証書内に含めて提出する方法、もしくは、同金額を公証人に渡し、公証人自身が会社の名前で会社の設立を行う方法(この方法は実務においてはあまり用いられない)のいずれかによるものと定めている。 しかし、最終的には金銭による出資が信用機関に入金されたことを証明しなければならない。(それゆえ、他の機関への入金や公証人への預託は認められない。) 資本会社法が言うところの『信用機関』の定義を理解するには、直近の2016年9月7日付法務省登記・公証局の決定が興味深い。(2016年9月30日付政府官報-A-2016年第8947号) 本件において、新たに会社持分を発行することにより増資を実施することを決定した、合同会社の株主総会決議に公的効力をもたせた。この会社持分は、金銭による出資により引受がされ、その事実は金融機関にある当該会社名義の口座に会社持分の引受のための払込金額が預金されていることの証明書により証明がされた。 しかし、払込金が入金された銀行は外国の銀行であったため、当該証明書は資本会社法第62条の定める内容に即していないと考えられることを理由に、当該増資にかかる公正証書はマドリードの登記官に却下された。これを受けて、当該公正証書について別の公正証書によって釈明が試みられた。新たに作成された別の公正証書には、本件で問題となっているスイスの金融機関は銀行・証券会社として許認可を受けていることを説明するスイス連邦政府金融市場監督によって発行された証明書が付けられた。しかし商業登記所は却下の決定を維持した。 登記官の決定に対し異議申立てが行われ、法務省登記・公証局によって2016年9月7日決定が出され、2016年9月30日政府官報に公表された。決定で登記・公証局は資本会社法第62条第1項に照らして、預金のある銀行が外国のものであったことで、そこで発行された証明書の有効性が損なわれることはないとの判断を示した。この意味で、公証人によって公的効力を与え、登記官が登記をするにあたって行う増資の決議の合法性の検証のために必要となる法的証拠は、資金が信用機関において会社名義で開かれた口座に入金されたかどうかであり、不必要または重複するような要件を課すようなその他の方法を要求することは法に則っているとはいえない、との見解を示した。 そして、登記・公証局は、それを妨げる法律がない以上、金銭による出資金の払込が実施されるべき金融機関は、スペイン国内の金融機関に限られるべきではないと結論づけた。 結論として、払込金の入金がされた口座のある機関がその国によって許認可を受けている信用機関であれば、外国の金融機関の口座に入金された払込金はスペインでの会社設立または既存の会社の増資の際に公的効力を持たせるために有効である。   より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 カルラ・ビジャビセンシオ va@vila.es

株主総会の事前告知期間はどのように数えるか

資本会社法第176条には「株主総会開催日とその招集通知との間には、株式会社の場合には最低でも1ヶ月、合同会社の場合には最低でも15日の期間を設けなければならない。」旨が定められている。 当該条項には株主総会招集通知にかかる期間を規制することで、株主が議案について情報を得て、自身の議決権行使の内容について詳細に考察する時間的余裕を設けることを目的としている。 資本会社法第204条3項に定められた例外を除き、招集通知期間を守らずに招集通知が発せられた場合は、第176条に規定された株主総会招集通知期間の違反に該当し、当該違反は当該株主総会における決議の無効や商業登記所において登記申請が却下される可能性をもたらす。 招集方法 資本会社法第173条によれば、株主総会は以下のいずれかの方法により招集される。 I. 会社のホームページ上での公告 –       会社ホームページに告示する (資本会社法第11条bisが定めるところに従い、ホームページの作成・登記がされ公開された場合) –       適切に登記・公開されたホームページがない場合は、商業登記所官報または会社住所がある地域で購読されている新聞に公告を掲載する II. または、会社定款に次のような規定がある場合には、公告を行う代わりに個別に書面で連絡する。 –       株主が招集通知を確実に受け取れる指定された住所、または会社に登録されてある当該株主の住所に個別に書面で通知する。株主が外国に居住する場合には、国内の連絡先を指定した場合のみ個別に招集されると法令に規定される。 III. 最後に、資本会社法第173条3項は、定款によって、法の定めるところに従った追加の公告方法を備えることを認めている。この場合、会社のホームページに招集通知が掲載されたことを株主に伝達する電磁的方法を会社が具備することが求められる。 招集通知の期間の算出、個別のケース I. 公告による招集通知 会社定款がこの点について特に触れていない場合、株主総会は公告によって招集されなければならない。公告が掲載された日から招集通知の期間がカウントされる。総会当日は招集通知の期間に含まない。 例として、10月6日が株主総会開催日の場合、9月21日に発行部数の多い新聞に公告が掲載され、9月22日に商業登記所官報に公告が掲載されたのであれば、当該株主総会の決議は有効とはならない。なぜなら、商業登記所官報に公告が掲載された9月22日から10月5日も含めて14日間しかないからである。 II. 個別に書面で行う招集通知 株主総会が個々の株主に書面によって招集される場合、資本会社法第176条2項では「招集通知の期間は最後の株主に通知が発送された日から数える」と定めている。 6月27日開催の株主総会の招集通知を、配達記録郵便で各株主に6月12日に発送した場合、当該招集通知が送り先に受領された日付に関わらず、株主総会の招集及び当該株主総会における決議は有効である。 III. 追加の招集方法— 同上 学説及び判例により定められた基準 学説や判例によって定められた現在の基準では、招集通知の期間の計算は公告の日や株主へ招集通知が発送された日を第1日目とし、(送付先に受領された日ではない) 株主総会開催日当日は含まないとされる。 法務省登記・公証局が2016年7月5日承認し、8月12日政府官報に公示された、会社の決議に関する公正証書の登記を却下したマドリード第7商業・不動産登記所登記官に対する異議申し立てへの回答にかかる決定において、上記点について確認している (link)。 上記の決定では、多くの前例のように、法務省登記・公証局は廃止された株式会社法第97条を解釈する際、(合同会社に補助的に適用する場合も) 民法第5条は適用されるべきではなく、公告の掲載日と株主総会開催の間に少なくとも15日間の期間を設けなければならず、その計算にあたっては、初日と最終日は日数に含まないことを表明した。最高裁判所も1968年3月28日付及び1987年3月5日付の判決において、同様の解釈を示している。 しかしながら1994年3月29日付及び同年11月21日付の判決で最高裁は方針を変え、招集通知の期間の計算において株主への招集公告の初日、または各株主への通知を郵送した日を含み、株主総会開催日は含まないとした。 この判例の姿勢は法務省登記・公証局の1995年7月10日及び同年11月6日の決定にも採用されている。資本会社法第176条の前身である廃止された有限会社法第46の3に関するそれまで公式見解を修正し、株主への個別招集の場合に適用されるとした。 論評 上述のとおり、立法者の明確に意図したように、会社の経営組織が会社ホームページや商業登記所官報、発行部数の多い新聞で公告した場合には、株主は、株主総会招集通知が公開された日から招集通知の存在を認識することができ、したがって、その日から法で定められた招集通知の期間の計算が始まる。 他方、各株主に個別に招集を通知する場合には、当該株主は招集通知を受け取るまで招集通知の存在を認識することができないにもかかわらず、招集通知期間は経営組織が招集通知を発送した日から数えられる。したがい、多くの場合において、個別に通知がされる場合は、情報アクセス権や代理人を用意するといった、法によって与えられた権利を行使する時間が少なくなる。 このことから、今日において、株主の権利を最も保証すると思われる招集方法は、会社が自身のホームページに株主総会招集通知が掲載されたことを株主に電磁的方法で知らせる制度を備えることを課すような定款の規定を設けたうえで、会社ホームページ上で公告を行う方法であろう。   より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 カルラ・ビジャビセンシオ va@vila.es