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私たちはクライアントの皆様とともに、発展を遂げていきます。

 テイラーメイド・サービスとは、顧客のニーズと期待に応えることを意味します。私たちの仕事の基本となるのは、クライアントのビジネスを徹底的に理解することです。各クライアントのビジネスへの理解が深ければ、状況に応じた的確なアドバイスの提供、また今後起こりうる問題を迅速に察知し解決することができると信じています。

 

MASDAR事件とANTIN事件: 再生可能エネルギーへの助成金カットを行なったスペイン政府に対する新裁定

  外国投資家がスペイン王国を相手として、世界銀行の傘下組織である投資紛争解決国際センター(ICSID)を通じて申立てを行なっている27の国際投資仲裁のうち2つの申立てについて、最近裁定が出された。当該紛争は、2013年にスペインが再生可能エネルギー発電システムに対する助成金をカットしたことに端を発する。 ・Masdar とスペイン王国間のケース(ICSID仲裁裁定 事件番号ARB/14/1号) Masdar Solar社 及びWind Cooperatief U.A.社の申立てにより、スペイン王国に対して起こされた仲裁申立て 2018 年5月18日、John Beechey氏、Gary Born氏及び Brigitte Stern教授によって構成された仲裁法廷は、スペイン王国に対し、6450万ユーロにのぼる額を損害賠償金として申立て人に対し支払う旨の判断を下した(申立人の請求額は1億6500万ユーロだった)。また、2014年6月20日より仲裁裁定日までの上記損害賠償額に対する利子(年利0.906%)及び、仲裁裁定日から実際の支払日までの上記損害賠償額に対する年利1.60%の支払いも義務付けた。 ・Antin とスペイン王国間のケース(ICSID仲裁裁定 事件番号ARB/13/31号), Antin…
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減資の際の債権者保護手続き

スペイン資本会社法(以下「資本会社法」という。)第317条によると、資本の減少(減資)は以下の目的の場合に可能とされる。 1) 会社の資本額と累積欠損の結果として減少した純資産とのバランス回復(貸借対照表の正常化)のため 2) 法定準備金や任意積立金の設定又は増額のため 3) 株主からの資金供与の返還のため 4) 株式会社(Sociedad Anónima)の場合は、上記のほか、未了部分の株式引受け義務を解消するため。 有限責任会社(Sociedad Limitada)の場合は、資本会社法第78条の条の規定により、会社設立(又は増資)の公正証書作成時に資本の全部について払込みがされていなければならないが、資本会社法は一方で、株式会社については、会社設立時点で株式額面価額の25%の払込みがされていることが要求されるのみである(資本会社法第79条以降)。 減資の方法は以下のいずれかによる。 a) 株式額面価額の減額 b) 株式消却 c) 株式の集約 上記には3つの共通点がある。…
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株主の退社権行使と株主総会による事前承認の要否

ある合同会社(Sociedad Limitada)の取締役は、会社に生じた利益の全てを資本準備金にするとの利益処分案を株主総会に提案した。当該提案は承認可決されたが、株主の一人が、当該利益について配当に回し、資本準備金に回す金額は多くても利益の半分にしたいとして、反対票を投じた。当該株主は会社に対して資本会社法第348条に従って少数株主の退社権の行使の通知をし、当該通知において、自身が保有する株式の価値評価を目的とする株主総会の開催を要請した。当該株主は上記通知を繰り返し行ったが会社から回答を得られなかったため、資本会社法に定められている商業登記所を通じた手続きを開始すると告げた。 このことが会社に通知されると、会社の取締役は当該株主の要請に対して異議を申し立てたが、商業登記官は会社の異議を認めず、商業登記規則第363条に従って、株式の価値評価のための鑑定人を選任する旨の決定を行った。 上記商業登記官の決定について、会社は登記・公証局(DGRN)に対し不服申立てを提出した。 DGRNは2018年3月13日付の決定において、会社の主張内容を以下の3つに分類した。 株主の退社権の根拠について管轄を有するのは裁判所であり、商業登記官ではない。 株主の退社権について株主総会は何の宣告も行なっていない。 本件株主の退社権行使は脱法行為であるのではないかとの疑念を抱いている。 そのうえで、DGRNは各主張についての見解を述べ、最終的には会社の主張を認めなかった。 上記主張のうち株主総会の事前の宣告についてDGRNは、最高裁判所判例によれば、株主の退社権の行使は、法がその行使の可能性を認めている株主に独占的に帰属するものであるとした。そして、株主による退社権の行使に先立って、株主総会や取締役会からの承認をする必要がなく、当該権利の行使について会社に通知がされれば、資本会社法第353条及びそれに続く条項の定めるところに従い、その効力が発生すると示した。つまり、株主の退社権行使は、株主総会や経営組織の事前の決定や審議に条件付けられるものではなく、株主総会が合意したところに従わなければならないものでもないと結論づけた。 大友美加 詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年6月15日
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外国会社のスペイン支店と会計書類

スペインにおける支店の法的概念は商業登記規則第295条に以下のように規定される。 「支店とは、会社の営業活動の一部、もしくは全部を実行するために設置される、永続的な代表権を持つ、一定の自治管理機能を有する本店の二次的な営業拠点である」 恒久的施設との相違点は、支店は独自の法人格を有しないにもかかわらず、スペインにおいて商事性を有する会社と同様な義務を負うとの規定が、前述の条項にあることである。 したがって、支店には本店所在地の管轄の商業登記所への登記義務がある。支店が属する会社の本店所在地が外国にある場合、商業登記規則第375条の規定によると、年次会計書類の提出義務がある。 スペインでは、国内の商事性を有する資本会社に商業登記所への計算書類の提出・登記を義務付けない法律は考えられない。しかしながら、そのような国は存在し、その場合、商業登記法第376法に以下のような規定が存在する。 「外国会社の本店が準拠する法律が、スペイン法のように計算書類作成を義務付けていない場合(...)会社はスペイン支店の商業活動に関して計算書類を作成し、 商業登記所に提出しなければならない」 これに反する場合、つまり会社本店所在地の準拠法が年次計算書類の提出を義務付けている場合、スペインに支店を有する外国会社は、支店の商業登記所に、親会社の年次会計書類を提出しなければならない。該当する法規定によって求められる場合には、連結決算報告書の作成を要する。 既に外国会社の本店所在地の商業登記所に会計書類が提出されている場合、 登記官の判断は当該登記の確認にとどまる。 本件に関し照会したスペイン国内の異なる登記所の情報によると、いかなる形で年次会計書を提出するかについての統一した見解は存在しないとしている。しかしながら、スペインの商業登記所がスペインに支社を有する親会社の年次会計書類の内容を把握していないとしても、少なくとも年次会計書類提出の提出期限の統一見解は存在し、会社の会計年度終了後、翌年の12月31日までとしている。 実際には、前述の義務の不履行の結果として、年次会計書類を規定された期限内に提出していない場合、支店の活動に大きな支障をきたす可能性があり、ひいては親会社にも問題をもたらすこととなる。年次会計書類が提出されていない場合、商業登記所は支店の登記簿を閉鎖する。登記簿が閉鎖されている状態にあると、例えば、委任の登記を妨げることとなる。支店代表者の辞任、新たに代表者を選任しなければならないような場合、権限付与しなければならないような場合、登録簿が閉鎖されているとこれらの手続きを実行することはできない。 Hugo Ester   詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2018年6月8日
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